高齢になったときに備えて「身元保証」という言葉に関心を持ち始めた方へ。
前回の記事では、身元保証とは何か、なぜ必要とされているのかについてご紹介しました。
今回は、実際に「身元保証相談士」が提供している具体的なサービスについてご紹介します。
「どんなことまでお願いできるの?」「家族のように頼れるの?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までお読みください。
◆ 入居・入院時の身元保証
身元保証相談士の代表的な役割の一つが、病院や高齢者施設に入る際の「身元保証人」になることです。
病院や施設では、緊急時や支払いの保証のために保証人を求められるのが一般的です。
しかし、家族がいなかったり、離れて暮らしていたりする場合、代わりになってくれる人がいないという問題が生じます。
そんなとき、身元保証相談士が「安心して頼れる存在」としてお手伝いします。
主な対応内容:
- 病院・施設入居時の身元保証
- 治療・介護方針の確認や同意
- 緊急連絡や駆けつけ対応
- 手術の同意・医師との連携
◆ 生活支援と金銭管理のサポート
施設や病院では、多額の現金を持ち込むことができないため、日常生活の金銭管理が課題になることも。
また、買い物や薬の受け取り、ケアプランの調整など、細かなサポートも必要になります。
身元保証相談士は、そうした日常の支援にもきめ細やかに対応します。
サポートの一例:
- 小口現金の管理・補充
- 日用品の購入代行
- お薬の確認や調整
- ケアプランの確認・相談
- 健康状態の電話確認(見守り)
特に一人暮らしの高齢者にとって、こうした日常的な支援は安心感に直結します。
◆ 認知症に備える「任意後見契約」
もしものときに備えて、判断能力が不十分になった場合のサポート体制も重要です。
その際に活用されるのが「任意後見制度」です。
これは、まだ元気なうちに、将来もし認知症などになった場合に備えて、あらかじめ信頼できる人に財産管理などを任せる契約です。
身元保証相談士が所属する法人が「任意後見人」となることで、家族以外でも法的にサポートできる体制が整えられます。
後見契約でできること:
- 預金や不動産などの財産管理
- 医療・介護に関する手続きの代行
- 施設・サービスの契約や変更
◆ 死後の手続き・葬儀・供養もお任せ
「亡くなった後、誰が対応してくれるのか不安…」
そんな声に応えるのも、身元保証相談士の重要な役割です。
身元保証相談士は、ご本人が希望する葬儀の形式や供養方法を事前に確認し、責任を持って実行します。
また、遺品整理や行政手続きなども代行します。
対応内容:
- 葬儀の手配・費用支払い
- 火葬後の納骨・供養方法の確認
- 遺品整理や施設の片づけ
- 年金停止・医療費清算などの行政手続き
「人生の最期まで、自分らしく生きたい」と願う方にとって、非常に心強いサポートです。
◆ 身元保証相談士は“もう一つの家族”
身元保証相談士は、単なるサービス提供者ではありません。
人生の後半戦に寄り添う“もう一つの家族”として、寄り添い、支え続けるパートナーです。
「まだ家族が元気だから大丈夫」と思っていても、将来のことは誰にも分かりません。
いざというときに慌てないためにも、元気な今だからこそ、信頼できる相談相手を持っておくことが何よりの安心になります。
◆ まとめ
今回は、身元保証相談士が実際に提供しているサービスについてご紹介しました。
- 入院・入居時の身元保証
- 日常生活の支援と金銭管理
- 任意後見契約による認知症への備え
- 死後の手続き・葬儀・供養の代行
これらすべてのサポートは、「安心して老後を過ごしたい」という思いに応えるためのものです。
ご自身やご家族の将来について考えるきっかけとして、ぜひご参考になさってください。
次回は、実際にあった「身元保証にまつわるエピソード」をご紹介します。
どんな場面で助かったのか、どんな不安が解消されたのか、リアルな声をお伝えします。
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